夏の小倉組(2歳S展望)
タイキシャトルの子、メイショウボーラー。ザグレブの子、コスモサンビーム。いずれも昨年の小倉2歳Sで結果を出し、後の3歳限定重賞で気を吐いてきた強者です。
競馬を教えてくれた先達が曰く「小倉組じゃろ? ダメダメ・・・」と。夏の小倉と云ったら、こんな風に昔なら、使っただけで一格下に見られたものでした。
確かに──前年の暮れにデビューさせた有力馬は、春先に賞金を加算しておいて、暑い夏場は牧場で休養。さもなくば秋の季候の良い時期に満を持してデビューという具合に、とにかく夏を避けていたものでした。だから夏の小倉は強い馬が手薄で、そんな時節に未勝利を勝ち上がっておこう、と美浦からも大挙して馬運車が集結するのでした。
平坦で小回り、1700mのダートでも前に行った者が勝つという馬場ですから、気性が落ち着く前の幼い馬には、格好の競馬場だったのかも知れません。
ところがどうでしょう。近年では少し様子が変わってきたようで、冒頭の二騎は、圧倒的な強さでG1を連戦しました。強い事は認めていても、馬券を練る課程では心のどこなき『小倉組でしょ...』と云う囁きがあり、ついぞ馬券は当たらなかったのでした。
かかる経験を活かさぬでは猿も同然、まるで格好がつきません故、今年はしっかりと見極めましょう。少なくとも、将来のG1は別にして、来週の小倉2歳Sでは、やはりエイシンヴァイデンには逆らえないと考えるのです。
小倉を知り尽くした瀬戸口師による馬でもあり、鞍上の福永君も小倉の芝1200mは熟知したところでもあり、最終追い切りをするまでもなく、もはや盤石と思えるのです。
相手はツルマルオトメ。新馬を佐賀の名手、鮫島騎手に任せて楽勝。2戦めは新潟まで遠征させてのダリア賞で柴田騎手に手綱を渡して2着。再びの小倉では、武豊を配しての参戦ですから、これも揺るがせない事かも知れません。
ところで福永君の小倉の芝1200m(単勝1-2人気)は、まあまあの実績なのですが、武君は、意外や脆さを呈しています。死角があるとすれば、こちらかも知れませんね。ちなみに安藤騎手は、小倉の芝1200mでは3番人気以下で連対したケースが殆どありません。
一方、新潟でも2歳Sが開催されます。依然として苦手な新潟なので、まあ後藤君に任せます、はい。
もう一つ。札幌では珍しいダ1700m重賞、エルムSが開催されますね。こちらは水曜の追い切り後に──。