天皇賞完敗
いやはや、何がよろしくないってねえ、予想に自信を失ったら奇妙な思い込みが生まれて、その後の予想の組み立てをするとき、激しい呪縛に嵌ってしまうワケで、この馬はこうだから、あの馬はああだから、と屁理屈(まさに屁理屈!)をこねてみては、まるで違う方向に歩いて行くのです。
歩いていくなんて云うものではなくって、もはや多重人格者のように、さっきまで喋っていた事とほとんど正反対の結論に達して、自分で納得してしまうのですから、まったくお目出度い馬券なのですね。
前日のスワンSは、自信を失うことなく予想し、まんまと110倍を獲りました。それだけに、この天皇賞(秋)の外し方は、あまりにも不甲斐ない。
ツルマルボーイとアドマイヤグルーブを推し、人気のテレグノシスはマイルまでしか走れないと云い、中距離適正のある馬は買えと話していたにもかかわらず、宝塚記念組に疑いを持ち始めたとき、シルクフェイマスが違うのなら...。
こんな流れの後に、あっさりゼンノロブロイを信頼すれば良いのに、軸に据えたのはテレグノシス。トニービン産駒であり、あげくには毎日王冠の直線は力強かったから2000メートルも大丈夫、と結論。つい先日までは、「近年、毎日王冠組が天皇賞(秋)に来なくなったのは、毎日王冠というレースがマイルっぽくなったから」などと立派な解説をしていたのにもかかわらず、です。
こうなると、もういけません。あとはテレグノシスと一緒に、府中の400mハロン棒までの片道切符。終わってみれば軸馬は、負けも負けたり11着の大敗。
一方で牝馬に警戒せよと云いながら、ルメール騎手に目もくれず。まるっきり異なる方向へ歩を進めた馬券でした。
それにしてもダンスインザムードは立派。まして鞍上のルメール騎手の騎乗には舌を巻くばかり。さらにオリビエ・ペリエは、ゼンノロブロイで思惑通りのレースをしたようですね。完璧な勝ち方です。
後になって気づいたのでは遅いのだけれど、当たり前の格言に曰く「テン乗り、乗り替わりの外国人騎手は要注意」なぜなら調教師の先生は、そのレースを勝ちに来ている証であり、それに応えるべく馬も最高に仕上げてあるはずなのですね。
逃げるローエングリンが一杯になったとき、先に抜け出たのは他でもないダンスインザムード。坂を上りきって、いつ止まるのかと思っていると、馬群を縫って一閃、突き抜けたのがゼンノ。後続から追ってきたツルマルやアドマイヤも、ついにダンスを捕まえられなかったゴール前でした。
ペリエ騎手は昨年のクリスエスに続いて天皇賞(秋)を連勝。藤沢厩舎の3歳馬は、かつてのバブルガムフェロー、シンボリクリスエス、ダンスインザムードの3頭がここで連対。
近年の3歳馬は、古馬重賞で互角に戦える力を持たせるための、なにか変わった調教でもしているのでしょうかね。クラシックで連対した素質馬には、まったく要注意です。
というワケで、久しぶりに大ハズレの惨敗馬券でした。出直します。