をいっ、ロビンソン![マイルCS]
しかしまあ、無茶苦茶なレースをしましたね、ロビンソン騎手。いったい何て云って馬主さんや調教師さんに言い訳するつもりか、一度聞いてみたいものですよ。プロの騎手なら、せめて遠征費用に充てるくらいの賞金は持って帰るのが仕事というもんじゃありませんか。
どう見ても馬のせいではない出遅れを演じて、その直後に目を疑う猛進。3コーナーの手前で好位に取り付いて、その先で君、いったい何をしようと考えていたのか。
ギャラントアローが引っ張るレース全体は、決して速すぎるペースではありませんでした。ところがロビンソンは、大慌てで自分の本来の位置を確保するために、ラチに沿って一頭だけ、ぐんぐんと前進。出遅れた最後方ですから、レースの前半で14頭をゴボウ抜き。
そりゃあ、他の騎手は驚いたことでしょう。同時に、これで強さが知れなかったラクティは気にしなくて良くなったので、心の中でほくそ笑んだにちがいありません。それを一番美味しくゴチたのは、とりもなおさず勝ったデュランダルの池添君。
ミドルペースのレースだったのに、中身はハイペース。とりわけ後方の馬にとっては願ったり叶ったりの展開となって、マイネルソロモンまでが掲示板へ載るような始末。終わってみれば、道中で抜かした14頭のほんとんど全馬に抜かれ、自身は14着の玉砕レース。言わずもがな──前半で追い込む競馬なんて、はっは、これまで見た事もありませんぜ、ロビンソン君!
結果的に、デュランダルの強さだけが浮かび上がったマイルCSでした。
見たでしょう。池添君がいつになく早く動いて、直線では1ハロンを残して先頭に立ち、そのまま完勝したレース。あのタイミングで誂え向きの追い込みをデュランダルがやってのけたら、もう誰も彼を抜き返す事なんてできませんもんね。
その中にあって強かったのは、やはりダンスインザムードでした。
中段から差して後続を抑え込んだ脚力と勝負根性は、まさに天皇賞(秋)の実績を裏付けるもの。久しぶりにマイルから2000メートルで強い牝馬が出てきましたね。なにしろ3歳です。牡馬と、さらに百戦錬磨の古馬に混じっての活躍は、まったく素晴らしい。
もう年内は使わず、来春に備えたほうが良いっすね。元々強い調教ができなかったと云っていた藤沢師の話しもありますから、こうなると怖いのは怪我。古今東西、無事是名馬也。
それから、ルメール騎手の手腕が今回の短期免許では目立ちます。日本の器用な競馬をきちんと学び、実践に活かしている彼の姿は、かなり格好良いものです(前半で追い込むどこぞのアホとは大違い)。今後のさらなる飛躍に期待してしまいます。
ファインモーション。見た限りでは、理由が判りません。スティルインラヴやテイエムオーシャンがそうだったように、勝てなくなった牝馬は、埋没してしまうが常──なのかなあ。(ねえ?武君)
メイショウボーラー。あの脚質では、ちょっと損。
それにしても、デュランダルは強い。この馬を負かせるのは、好位から強靱に押し切るか、圧倒的に逃げ切るしかないでしょう。しかし彼も裂蹄の心配をしながらのレースですから、どうか無事で過ごしてほしいものです。
阿々、良いレースを見せてもらいました。近年、稀な玉砕走法も楽しませてもらったし(高いモノにつきましたが)。
« 見解[マイルCS] | Main | JC余話 »
The comments to this entry are closed.
Comments