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2005.03.30

おっと日経賞

コスモバルクという馬は、まだ幼いのでしょうか。それとも鞍上の千葉津騎手のほうが舞い上がったのか。道中の位置取りは(2-1-1-1)で0.6秒負けの6着。

あの無謀な走り方でこの着差なら、やはり地力ということなのでしょうけれども、馬券を持っている者としては、1コーナーを過ぎた辺りで飛び出していったバルクを見て(いや、聴いて)、その時点でガックリ。実況のアナウンサーも、あまりの唐突ぶりに「お~と、ここでコスモバルクが行きました!」と興奮気味(トホホ)。

休み明けがよろしくなかったか、とにかくカーッと行ってしまったよう。ビデオを見るに、最後の50メートルは、もうやめちゃった感じですね。

ハナを切って走る馬が、横から競られて交わされると、すっかりやる気を無くしてしまうケースがあります。逃げ馬の典型。本来、馬は逃げる気性と云いますから、思うにコスモバルクは本質的にも気性的にも、やはり逃げ馬のように見えますね。

勝つためには逃げるより好位で立ち回ったほうが楽な事も知られています。レースを覚えさせるために試行錯誤する陣営の思惑はありありと見えますが、いまのところ理想の通りには運んでいない模様。メイショウボーラーではありませんが、この馬が砂路線に切り替えたら、もしかすると伝説的に強い馬になれるかも知れませんね。

■JRA Video Interactive

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2005.03.28

中京終幕

今年の高松宮記念は、どうにも難しかった。

今開催の中京競馬は初日から買い続けているので、各馬場条件の傾向というか、出走馬をみれば有る程度、展開の予想が出来たものでした。だからダートでも芝でも、差し馬を軸にするか、逃げ馬を探すか、そんな感じで馬券はよく当たりました。

「ダ1000m」とにかく出足の良い馬。一完歩の速い馬は、ほとんど粘りきります。
「ダ1700m」依然として前有利も、展開によっては差し届くこと多し。力さえあれば捲り加減の強引な競馬で間に合う。
「芝1200m」強い逃げ馬は連下に残ります。相対に差しと好位。
「芝1800m」小回りで速い流れになるせいか、前は不利。差し、追い込みが台頭。
「芝2000m」1800mに比べてゆったり流れるせいか、前有利。とにかく強い逃げ馬が軸。ただし仮柵を設けた後半は、逃げ切れない様子。

こんな風な馬場と傾向でした。

が、高松宮に関しては、こうした展開の予想というか、イメージが湧いてこない。ライトオの俊足がレースを引っ張り、すぐ後ろの先行馬とレコード決着にでもなるかと思っていたら、さにあらず。Racing Blog 2005でも書かれてる通り、意外と力のいる芝だったのでしょうね。

それにしても武君の手腕には、いつもながら恐れ入ります。あのアドマイヤマックスの一瞬しか使えない末脚を知っていて、中段でギリギリまで溜める──しかも馬の集中力を損なわないよう流れに乗せていく騎乗術は、ほかの誰にも真似が出来ない芸当です。

それに応えるように最後の1ハロン、いや100メートルくらいですかね。まさに「突き抜ける」という表現がピッタリの一瞬の出来事でした。

プレシャスカフェを内に入れてグズグズしていた蝦名騎手は、最後の最後で伸び悩み、キーンランドスワンに差されて3着。これまでの4連勝が、少々捲り気味なレースで結果を出していたところを見ると、今回は初のG1で大事にいきすぎたのでしょうかねえ。自在な脚を持つ馬だけに、ちょっと残念な3着でしたね。

というワケで、まるっきり外れた高松宮記念。

一方でマーチSは、久々の6頭ボックスという投網式の馬券で的中。こっちのが配当が良かったもんね。(笑)

クーリンガーはしかし、今回のような流れになるとしぶとく強いですね。平安Sで2着したときと同じようなレースでした。

それよりも何よりも、今開催の中京では、ちょっとした誤算がありました。

7日目の6Rを予想して、朝イチのI-PATで馬券を買ったのですが、5Rの発走時刻になってふと気づくと、なんと6Rの予想で5Rを買っていたのでした。阿々、買い間違い。南無三とばかりにヤケクソでたんぱラジオを聞いていると、なんと間違えた馬券が的中。しかも馬連420倍の高配当。はっは、こりゃ笑いが止まりません。

以前、馬番を間違えて買って、当たっていたはずの万馬券を取り逃がした京都のレースがあったり、年間に1000レースも購入しているといろんな事があるのですが、こんな誤算は生涯に一度あるなし。いや、ありがたい事です。これで今年のこれまでの収支はプラスに転じました。

昨年の中京では、手に負えないほど負けましたが、今年は万馬券3つを含む善戦で、実に心地好い8日間を楽しませてもらいました。来週は福島競馬の開幕。昨年の福島は散々でしたが、この流れなら──。がんばります。(笑)

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2005.03.23

阪神大章典など

タマモクロスの仔は長距離で走る。そんな言葉をいろんな先輩から聞いて耳に残していたので、例年、人気通りの決着となるここ阪神大章典であっても、今年の様相からすると『もしや』という思いがあって、マイソールサウンドから行ったのでした。

アイポッパーの強さは万葉Sで見ていたものの、しかし重賞の実績に乏しく、それなら有馬記念で果敢に2着を獲ったリンカーンを信頼したのでした。鞍上は福永君に乗り変わり。何故に武君が中山にまわったか不可解でしたが、まあグランプリ2着馬。

サクラセンチュリーに3000メートルは少し長いように思えて、こちらは気にせず。

結果は周知の通り。またしてもハナ差に泣きました。まあ、手堅いこの重賞ですから、マイソールサウンドが本命なら、アイポッパーまでおさえておけば良かったのですがねえ。やれやれ。

件の武君。馬柱の乗り役を見て、仰天。なんだってこんな売り出し前の馬に乗るのか──。もちろん馬主さんや調教師さんたちには思い入れがありましょうけれども、下馬評で馬券を買っている我々には、ちょっと不思議な組み合わせでした。

どうせ当たらないスプリングSなら、なにか意味ありげなトップガンジョーを買ってみるも悪くないと思い、少しだけ。

すると、どうでしょう。

マキハタサーメットらがハナ争いをする熾烈なペースを見て、早めに押して出たトップガンジョーは、最後の直線にて。

後方から一気に追い込んできたスキップジャックらを抑え、粘りに粘って3着。見事、皐月の出走権を取得したのでありました。大したものです。

あの短い直線で物凄い差し、追い込み、粘りが錯綜した競馬は、ひさしぶりに見応え(ま、たんぱラジオなので聞き応え)がありました。

ところで来週は、いよいよ高松宮記念。

デュランダル不在のスプリント戦線は、果たしてどうなりますか。見解。

阪急杯で力を見せたカルストンライトオーは、差しが有利になった今の中京でも、やはり出走馬の相対的な力関係から量って一歩抜けていると思います。続いてシルクロードで自在な脚を披露し、58キロを背負って差し切ったプレシャスカフェは、まさに中京コースに最適の脚質。もう一頭、好位で立ち回れば、平坦を利するギャラントアローにも目があるのでは。

ということで、3頭でいきまする。

その前に、中京で三連単をいただかなくちゃね。(笑)

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2005.03.10

岡部騎手の引退に思ふ

いつか書いたっけ。馬券を自分の意志で買ったのは、フラワーパークが勝ったスプリンターズS。1996年の冬の事でした。まだ10年にも満たない競馬歴。むりやり遡っても、宝塚記念をハギノカムイオーが制した1983年に、先輩に誘われて馬券の種類も知らずについて行った渋谷の場外馬券売り場。それでも22年前。

岡部騎手と云ったら、1967年に初騎乗。以来56歳の今日まで実に37年間もジョッキーとして活躍してきたなんて、凡人のボクなどにはあり得ない偉業です。

だいたい体力の事を推し量っても、ゲーセンで何という名前だったか、馬に跨って手綱をしごく通信対戦型のアーケードゲームで本気になり、やおらトイレへ駆け込んで吐いたような経験しか無い者には、その過酷なトレーニングや減量は、想像もいたらぬ神の領域。もう飛んでもないと思うしかないのであります。

たった10年しか知らない者が岡部騎手の数々の名勝負を語るには、あまりに憚ります。それは、一家言を持たれる諸兄方に任せて、岡部騎手の引退に際して──。

中央競馬の歴史を書物やアーカイブで振り返ると、ずいぶん現代的に変化していたんだな、とヒョッコは感じます。レースのルールや番組の改編、直接的な競走だけでなく、馬主さんやトレセン、地方競馬との交流など、競馬をとりまく様々な環境は年々、すこしずつ変わってきている事に気づかされます。

中には、かならずしも競馬にとって宜しくない事柄もあったようにも思えますが、しかしそれとて中央競馬を維持、発展させていくための苦渋の選択であったり、後になって恩恵を得たり、とにかく少しずつ時代を過ごしてきたにちがいありません。

そんな中にあって武豊騎手のような鬼才の持ち主が生まれたり、最近なら村本騎手のように、、本当に静かに鞭をおいた職人騎手もあって、ボクのようなしがない馬券を支えてきてくれたのでした。

岡部騎手は、競馬界で直接、生身のからだを張って、そういう変化や経緯を体験してきた偉人ではないでしょうか。

今年は、かの小島太調教師のご子息、太一君も騎手としてデビューを果たしました。今年もまた外厩制度を利して活躍するサラブレッドがいるかも知れません。十年に一度の逸材と期待されるディープインパクトも、道悪に怯む事なく弥生賞を無敗でクリアし、いよいよクラシックを目指します。

刹那的に競走馬を想い遣る騎手として、その長い誉れある歴史に自ら終止符を打つ岡部騎手に、止むことのない競馬の雄大な流れを感じずにはいられません。

岡部ジョッキーへ。
ありがとうございました。

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