ばんえい新馬の悲哀
珍しくアサヒコムに競馬の話題がありました。きれいな写真が掲載された記事は、桜花賞に関するものではなく、北海道ばんえい競馬の新馬適正テストを伝える、一見すると長閑なもの。
ああ、もうそんな季節なんだな。そう感じながら読み進めていると巻末に、テストで適正を欠いた馬は、食肉になる事も、なんていう文があって、ドッキリ。
●アサヒコム 検査も過酷、ばんえい競馬 落ちれば「馬肉」の運命も
競走馬は商業動物と言われます。馬主さんにして思えば、稼げない馬は養う価値無く、ときには食用に処分する事もあるとか。現実はそうでも、馬主さんとて動物が嫌いなワケではないでしょうから、そう簡単に割り切れない気持ちがあると思いたいところです。それでも──。
曖昧な記憶で定かではありませんが、なにかの本を読んだとき、キョウエイボーガンの事を書き下ろされた一文があったのを思い出しました。
ミホノブルボンの三冠達成を阻んだ悪役としてボロクソに言われた当時のボーガンが、競走馬として如何なる馬だったか。その宿命的な生き様を書き下ろされた文節。母馬インターマドンナの突然の死を乗り越え、懸命に駆るボーガンの悲しく、かつ幸運な末路に、感動を覚えました。
脚部不安で競走馬としての未来を失うことになったキョウエイボーガンが、ひっそりと登録を抹消された当時。一人の普通に暮らされる主婦の方がボーガンの足跡を辿っていったところ、近畿地方のとある食肉馬が集められる中継施設に繋養されている事を知って尋ね、無謀にもその場で馬を買い取って帰られた、と。その後、キョウイボーガン号は、土佐黒潮牧場に移され、その主婦の方が月々に稼がれたお金でカイバを手配された。
たしか、そんな逸話しでした。違っていたらごめんなさい。
重賞勝ち2鞍を持っている馬でも、競走馬としていけなくなったら、こんな運命を辿る事もあると知り、ちょっと悲しくなってしまったのを忘れません。いまキョウエイボーガン号は、明けて17歳になり東京ホースビレッジに繋養されているそうです。
引退した競走馬の余生は、インターネットでも様々な物議を醸しているようです。一介のサラブレッドファンとしては、どんな馬であれ、余生を安らかに過ごせるようになって欲しいと願ってやみません。商業動物という呼び名は、ちょっと痛くて辛抱できないなぁ。
ところでサクラエキスパートが登録抹消したとき、乗馬などでなく、使役馬と書かれていました。愛知杯を勝った牡馬が農耕機具を引っ張る姿って凄いかも。2000メートルの畑を2.00.6のクビ差で駆け抜ける?!(失礼しました)
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